毎日新聞8/22付朝刊「文化という劇場」で、重里徹也さんが大江健三郎さんの
再読、三読の大切さに触れて、次の話を書いています。
<大江さんはかねてから再読(リ・リード)の重要さを指摘してきたが、読書を旅にたとえて、『悪霊』へのアプローチをこんなふうに説明してくれた。
「初めて読む時というのは、地図を持たないで旅をするようなものです。2回目は、地理が一応わかって、その土地を歩くことになる。そして、年を取ってから3回目を、その本に何が書いてあるのか、一挙につかむつもりで読む。3段階の構えで読んだことになります。」>
年を取らなくてもいいのですが、この3段階の読み方は良書といわれる本に対しては有効な方法だと思います。良書とは、こうした読み方をしても、なにか広く、深い物語を含み、その都度、別の感動を、衝撃を与えてくれるものです。
それぞれの、こうした良書に出会うための旅は続きますが、こうした本を数多くコレクションすることが読書をより豊かなものにすると思います。あまりにも速読や一読で終わってしまう本の多い中で。