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2004年 08月 03日
『日本博覧人物史-データベースの黎明-』
紀田順一郎著 ジャストシステム 1995.01.15 4600円 第一章 文献のデータベースの夜明け 塙保己一と『群書類従』 第二章 足で描いた江戸東京の面影 山下重民と『新撰東京名所図会』 第三章 超人学者の記憶容量 吉田東伍と『大日本地名辞書』 第四章 四○万点の植物標本 牧野富太郎と『牧野日本植物図鑑』 第五章 活動写真から映画へ 「キネマ旬報」と映画データベース 第六章 活字辞書から電子辞書まで 亀井忠一と三省堂『コンサイス英和辞典』 第七章 踏み迷った文献の森 物集高見・高量と『廣文庫』『群書索引』 第八章 英語の鬼がつくった驚異の辞典 齋藤秀三郎と『齋藤和英大辞典』 第九章 横に世界史、縦に人類史 中彌三郎と平凡社『大百科辞典』 第十章 家に姓あり、人に名あり 篠崎晃雄と『実用難読奇姓辞典』 第十一章 民間学者の生きた痕跡 日置昌一と『話の大事典』 第十二章 天国で待っている本 粉川忠と『東京ゲーテ記念館』 第十三章 生命の境界、学問の境界 南方熊楠『菌誌』とその周辺 この本はいろいろなデータベースを生み出した人々の物語です。またこの本は図版が多く、略歴もあり、索引ありと充実した内容になっています。 例えば、第六章の亀井忠一さんとその妻万喜子さんは神田神保町に三省堂という古本屋を開業。店名は『論語』の「吾れ日に三たび吾が身を省る」からつけました。語学ができない夫婦でしたが、妻万喜子さんは大学生からドイツ語を学び毎晩店を閉じる夜11時過ぎから駿河台の英語教授の家に乳飲み子を抱えながら通い詰め、ついに上級程度までマスターしてしまいました。 第八章の齋藤秀三郎さんは、『熟語本位 齋藤英和中辞典』と『齋藤和英大辞典』をつくり上げました。『熟語本位 英和大辞典』はFの項で終わり、未完のまま残されました。齋藤さんは14歳で上京し、東京大学予備門に入学、工部大学(東京大学工学部の前身)に転入。最年少の齋藤さんは抜群の英語力で、図書館に備え付けの『ブリタニカ』を二度も読みなおしたという逸話があります。 第九章の下中彌三郎さんは、いままで個人の労力で作り上げてきた辞書づくりを、個々の力を結集し、組織的プロジェクトを完成させました。それが平凡社の百科事典です。(個人の辞書は大槻文彦『大言海』、諸橋轍次『大漢和辞典』などが有名です。これらの人たちも取り上げてもいいのではと思いました。) こうした例を上げるまでもなく、まさにファイルメーカーたちの話を読んでいますと、抜群の記憶力、ことに打ち込む集中力、やり遂げる継続力などは想像をはるかに超えています。それに加えての頑固一徹。 この「知の職人」たちのしゃにむに頑張る、ひたむきなパワーこそ、今のわれわれに必要なのかもしれません。
by h_osd
| 2004-08-03 23:43
| 単行本
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