taikutuotokoさんのBlog「
退屈男と本と街」の、「読書にも、流れがある」は本好きのひとなら、きっと体験したことがあるはずです。
ちょうど、インターネットの好奇心のリンクのように、次々と想像の連鎖反応があって、そのなかに意外性まで含まれているという、あの不思議な「流れ」。
そして、多くの人は『それでも古書を買いました』(鹿島茂)のように、「それでも本を買いました」ということになります。
<本はものでしかないという考え方も、もちろんある。しかし、本を著者そのものだと思う気持ちは、その本の効果を格段に高める。その著者と一対一で過ごした時間は、自分の人生にとって貴重なものとなっている。読書は優れた他者との出会いの経験となる。>
(『読書力』齋藤 孝著 岩波新書)
本との不思議な出会いは「優れた他者との出会い」であり、もうひとりの自分との出会いでもあります。
私が齋藤さんの著書で、はじめに読んだ本は『スラムダンクな友情論』(文春文庫)でした。井上 雄彦さんの『Slam dunk』を冒頭に、古今東西の名著を引用し、友情について考えるという内容でした。ルビが少々うるさいのですが、これはおもしろかった。
その「流れ」で、私も8000円で、『Slam dunk』全31巻を購入してしまったという次第。なんとも「流れ」とは怖いものです。
(齋藤さんの著作の多さはすごいのですが、あまりにも多作であるために、もういいやという気にもなります。言葉のデフレ現象が生じつつあるのかもしれません。)