株式会社NTTデータが 「
New Paradigm」 というPR誌(PDF版)を発行しています。その春号 vol.35で「遠近のニュースケープ」という特集を組んでいます。
< 「遠近法は解体している。著書に『グローバル化の遠近法』と題名をつけたけれど、意図は複数の遠近法、重層思考です」。今号登場の吉見俊哉氏の指摘である。・・・・・(中略)・・・・・・問題なのは、現実認識の思考枠組みとしての一点透視遠近法が根強くあること。吉見氏の指摘は、まさにその解体にある。遠近法を使いこなす思考能力の問題、脱固定、絶えざる思考の生成こそ問われている。>
そのなかのAFTER EDITION、あとがきで、作家、幸田文氏のエッセイ集『幸田文全集〈第6巻〉身近にあるすきま他 』(1956年初出)収録の「歩く」の一文を引用して、こうした先人のこのやわらかな自在さを学びたい、と結んでいます。
<考へるとか思ふとかは、現在の一点から動いて、高い丘へ広い野へ低い谷へと一歩一歩歩きだして行く心なのだ。心が歩いて行くことが、考へる、思ふなのだ>
まさに、心が歩いて行くことを大切にしたいと思います。