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2006年 08月 19日
久しぶりに考えさせられる一文。それは「紀田順一郎のIT書斎」のホームページの、7月30日「本の森が枯渇する」です。
紀田さんはこのなかで、次のように嘆いています。 <蓄積のできない痩せた土地からは、一年生の雑草ぐらいしか生えるものがありません。「木を植える人」もいなくなってしまいました。・・・・・ 専門家は各方面に掃いて捨てるほどいるが、人格的な影響力を備えた知識人は跡を絶ってしまいました。> さらに、 <小松左京+谷甲州の『日本沈没第二部』ではあるまいし、根無し草となった読書人(懐かしい言葉だ)が漂い流れる空間は、もはやグーグル支配のネットしかないのでしょうか。その世界には、新しい「幹」と「根」が、どのようにしたら育つのでしょうか。> とまとめています。「もはやグーグル支配のネットしかないのでしょうか。」おそらくいまの現状ではそうだろうと思います。それだけグーグルの力はインターネット上で巨大なものになっているのでしょう。 ちょうど今日のニュースで、はてな検索にGoogleエンジンを採用という記事がありました。これもまたひとつの象徴的な出来事か。 <はてなは8月15日、米Googleと提携し、検索サービス「はてな検索」にGoogleの検索エンジンを導入した。(ITmedia)> 問題は先に紀田さんが書いていますが、「木を植える人がいなくなった」こと。アナログであれ、デジタルであれ、これこそ大切な問題です。植える木が、植える人がなければ、幹や根をいくら問題にしても仕方のないことです。 この情報化社会のなかで、木をじっくり育てるということができなくなっているということかもしれません。私たちは知らぬ間に情報のスピードにマヒし、相当なスピードで走り、「じっくり」という言葉さえ失っているのかも。 かつて plug in / unplug (プラグを抜いて) ということが言われましたが、抜いてしまうと、あっという間に差がついてついていけなくなります。それだけ時代の変化が、社会の動向が、企業の活動がスピードアップしています。 プラグを抜いたあとのリスクのほうが大きいとなると、では、どんな対策が? まず「じっくり」という言葉を取りもどすことをめざし、各自がそれぞれの木を植えることから、始めるしかないのでしょうか。 ▼四谷書房のサイトはhttp://yotsuya-shobo.com/ こちらから。
by h_osd
| 2006-08-19 01:01
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