「yomunelの日記」の 「
真夏の果実」を読んで、開高健節全開、そう感じました。私もちょうど開高健さんの『開口閉口』(新潮文庫)を読み終えたばかりでしたので。
yomunelさんは開高健さんの『くだものだもの』(福武文庫)から次を引用しています。
<「おつゆが迸り、口いっぱいになり、溢れて顎をつたって流れ落ちる。その甘さ。その淡麗。その精緻。その豊満。しかも、それらのかぎりをきわめつつ、清浄で謙虚である」>
この文庫はいま手元にないのですが、福武文庫で食についての本を出していたとは知りませんでした。この文庫を探したいと思いますが、福武文庫です。そう簡単に入手できないでしょうが、それはそれで運に任せて探してみたいと思います。
開高さんは『開口閉口』で次のように言っています。
<釣りは、運、勘、根である。
つまり、人生だな。>
「釣るのか釣られるのか」p108
そしてさらに、「日は昇り日は沈む」では西園寺公望氏と薩摩治郎八氏を取り上げ、書いています。特にバロン薩摩氏 について。(鹿島茂さんも現在「BRIO」に連載の「薩摩次郎八伝「バロン」と呼ばれた日本人」を書いていますが、完結したら読みたい一冊です。)
<・・・・・ 何年かたってから風あって便りを知らされ、氏は浅草の踊り子さんといっしょになったが、脳溢血で倒れ、足腰がきかなくなり、徳島の踊り子の実家にひきとられ寝たきりだと教えられた。
くるものはいつかくる。
やっぱり。> p222
まさに、開高節全開!なのです。
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