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2006年 01月 07日
高橋徹さんの『古本屋 月の輪書林』(晶文社)を再読し、新刊の『月の輪書林それから』(同社)を読み終わりました。新刊の装幀は前著同様、南伸坊さん、撮影は坂本真典さん、今回から奥様の美央さんが登場しています。
< 古本ブームのきっかけとなって『古本屋月の輪書林』の刊行から七年、続刊がようやく東京! 古本の力を伝えるノンフィクション。> 当初は古本屋さんを利用しても、その日常を知りませんでした。『古本屋月の輪書林』にはその古本屋さんの日常が綴られていて興味を持ちました。読んでみて古本屋さんの喜怒哀楽も知ることができました。あれからもう7年も経ってしまいました。 今回の『月の輪書林それから』は確かに続刊なのですが、古本屋さんの日常とともに、目録づくりの発想や本集めの方法が開示されています。前著よりもこの『月の輪書林それから』のほうがいろいろ考えながら興味深く読みました。 例えば、本/人の発見、関係/交流の発掘ということ。 人間関係を解くために、点と点を結びつける、伏線をさがす、あるいは仮の線を引いてみることなどが必要になってきます。こうしていろいろな方法で、人と人との関係を明かにしようとしています。 このように見えない関係を見えるようにすること。また新しい関係を明らかにすること。この点において、古本屋さんの役割は大きいと思います。これが古本屋さんのひとつの存在理由と言ってもいいでしょう。 それは次のような強い思いに支えられてこそできることです。 < 古書目録による古書店経営も十五年、美央チャンとの結婚生活は六年目を迎えた。この間に作った目録は四冊。しかし、「消えた人、忘れられた人、そういう人たちを古本の中から再評価したい」という思いは変わらない。> 今回、取り上げられた人々は李奉昌、川村武治、秋山清、三田平凡寺など。個人的に気になったのは、山口昌男さんのラインマーカーであったり、高橋さんの草森紳一さんへの評価であったり、目録へのこだわり(インターネットでなく)であったり・・・・・と多々あります。 これからも、古本屋 月の輪書林の本と人をめぐる冒険を愉しみにしたいと思います。
by h_osd
| 2006-01-07 11:25
| 単行本
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