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2005年 02月 20日
退屈男さんのブログで発見。久保田二郎さんの本。『ああパーティの夜はふけて』(晶文社 / 久保田二郎著)先にやられましたね。
実は私も文庫本ですが、『ニューヨーク大散歩』(新潮文庫)を見つけました。この本は新潮文庫に書きおろされたもので、1987年に発行されています。ニューヨークをさらっと押さえたタッチで描いています。 例えば。 <僕はデューク・エリントンをもっとも尊敬しているのだが、それは音楽家としての彼の素晴らしい業績を心から愛するからだけではない。それは彼の黒人種に対する愛情と信念に対してなのだ。あの黒人運動が嵐となって全米を揺るがしていた頃、著名な黒人たちは皆一斉に演説を始めたものだった。そんなとき、我がエリントンはどうしたことかひとことも自己のステートメントを発表することなく、演説をするでもなく、一片の言葉すら発したことがなかったのである。そして彼は黙々と演奏活動を続けていたのだ。あの頃、黒人種ん優秀さを誇り、素晴らしさを論じる人は多かった。それは流行りものになったといっても過言ではないだろう。しかし、エリントンはその三十年前にすでに、彼の素晴らしい作品を通じてそれを訴えていたのである。曰く『黒と茶褐色の幻想』曰く『クレオール・ラブ・コール』曰く『ハーレム組曲』等々実に多くの作品を通じて彼はとっくに黒人種の悲哀、傷み、叫びを立派な芸術作品として発表していたのだ。>p101-102 いかがでしょう。 また「解説」の内藤陳さんは久保田さんについて次のように書いています。 <まさしく久保田師こそ、日本の“東部のエスタブリッシュメント”の御出自なのであった。 さらに詳しく知りたい方は、ぜひ『極楽島ただいま満員』をお読みください。こちらも絶対のオススメであります。>p217 ちょうど1987年から88年にかけて、新潮文庫が旅の文庫を出していました。この文庫もその中の一冊ですが、この他に花房浩一さんの『ロンドン ラジカル・ウォーク』や上田 賢一さんの『上海パノラマウォーク』 などが上げられます。こうした文庫、いままだニーズありと見ますが、どうでしょう。
by h_osd
| 2005-02-20 02:07
| 文庫・新書
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