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2005年 02月 01日
『古本迷宮』 喜多村 拓著 青弓社 2004.09.17 1600円+税
この本、本に関係した不思議な話が幾つも出てきます。 例えば「古本迷宮」は店主すら本棚の端まで行ったことがない書店で、知らぬ間にそこが自殺の名所になったり、「望郷古本屋」は彼を連れ戻すことを家族から頼まれているのに、神保町に立ち寄り望郷古本屋を探しているがいまだ見つかっていなかったり、「本が怖い」は主人公がパソコンに本のデータを打ち込んでいると、店の奥から女性がすすり泣く声がしたり・・・・・などなど。 なかでも、「望郷古本屋」はあるようでない、ないようである古本屋さんで、場所も神保町なのですが、定かではない。 「望郷古本屋」って、ほんとにどこにあるのか。まだその古本屋さんを見つけた人はいないそうです。 店主もいるのかいないのかもわからない。看板には「思い出産業-あなたの行きたい時間と空間へ」とわけがわからないことが書いてあり、このお店に入った人の数と出て行く人の数がちがったり、ある日突然舞い込んだハガキの日付が1964年のハガキだったり・・・・・となんとなく不気味な、不思議な、そんな話。 それとは別に、 <狩野亨吉といったら、一高の校長をした人で、漱石の先生でもある。くしゃみ先生のモデルになった。その狩野が、晩年屑屋を自宅に呼んで、東京じゅうのゴミから古書を探して自分のところに持ってくるように頼んでいた。狩野先生のところに行ったら、和本でもなんでも高く買ってくれるそうだ。そんな噂が広まって、何人かの屑屋が、拾ってきたボロボロの本を先生の自宅までせっせと運んでいた。いまも昔も、本はゴミとして捨てられるが、和紙の本は雪隠の落とし紙として消費されていた。なかには、歌川豊国や歌川国芳の絵入りの本が尻を拭くために利用されたのかもしれない。外人がいち早く浮世絵に芸術的な価値を見いだしのも、幕末に日本の陶器を母国に輸出したとき、茶碗を包んでいた紙が浮世絵だったことがきっかけだ。 そのように貴重な文化財産が価値の知らない人によってどんどん廃棄されるのを、狩野は見過ごせなかった。自宅はあっというまにで埋まり、その数、十万冊をいわれた。現在は、東北大学の図書館に狩野文庫として収まっている。 なぜ、狩野が古本屋の真似事を始めたのかというと、それより前に、重要な和本の百一巻をゴミのなかから発掘したからだった。「自然真営道」といわれる、膨大な医学書であり百科事典でもった安藤昌益の大著を見つけたからだ。昌益のほかの刊本を探すため、狩野は余生を注ぎ込んでいた。>p47-48 のような、本の別な魔力の話もあったり、なんともこの本自体が奇妙な、奇怪な迷宮の入口であることは確かです。 さて、入ったら出てこれるかどうか、『古本迷宮』。入っていく人数と出てくる人数とがちがってますので、決してひとりで行かないで下さい。
by h_osd
| 2005-02-01 01:24
| 単行本
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