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2004年 09月 06日
「水谷哲也 読書日記」より、「出版界の三茂雄」を紹介します。それは反町茂雄、岡茂雄、岩波茂雄さんのことです。本好きの方はぜひ一読を。
なぜこれを取り上げたかといいますと、最近『古本屋五十年』(青木正美著 ちくま文庫)を読んだせいもあるのかもしれません。この本の中には、反町さんの話がよく出てきます。 例えば、市場が開始になった時の雰囲気を青木さんは次のように書いています。 <客は毎回四、五十人はあったが、正面には必ず会長の反町茂雄氏が座った。氏がそこに座られると同時に、市場の空気はピーンと張りつめるのが常であり、そのことは都合で遅刻されている時のなごやかな、悪く言えばダレた雰囲気が、氏が現れたとたんに急変するのでも分かった。> p123 なにか重い存在感と広い度量を感じさせる人だったようです。その人がいるだけで、ピーンと緊張するたたずまいはそれ相当の風格があったのでしょう。 また、 <私が思い出したのは、平成三年に物故された業界の偉大な先輩、弘文荘反町茂雄氏が死の三ヶ月前に私に言った言葉だった。 「青木さん、欧米にはそれぞれの専門分野の古書を扱う“古書店”は存在していますが、もうとっくに、日本にあるようなか“町の古本屋”はないのですよ。日本も遠からずそうなることを、あなたに言っておきます。> p320 いまの古書店は明らかに反町さんの予想通りの方向を歩んでいます。 水谷さんは本屋の歴史を理解する上で、『東西書肆街考』(脇村義太郎著 岩波新書)をあげています。私も〔118〕 脇村義太郎著 『東西書肆街考』 で取り上げました。また、いまの書店、神田神保町については『東京人』10月号の「神田神保町の歩き方」を参考にしてください。 ※ 私は岡茂雄さんについては詳しくないので、水谷さんの話を参考にするしかありません。今度岡さんの『本屋風情』を読んでみたいと思います。 ※ 岩波茂雄さんについては、いろいろな思いがありますので、整理してまた別の機会に。
by h_osd
| 2004-09-06 22:45
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