7月12日(水)の新着本-本の本1を編集するなかで、気になる本や言葉ってありますね。編集するプロセスについては「
四谷書房日録」に書きましたが、気になる本についてはここで触れておきます。
例えば、出久根達郎さんの『本のお口よごしですが』(講談社)です。この本は1991年に第1刷が発行されています。その年の講談社エッセイ受賞作だそうです。そのあとがきで、こんなふうに言っています。
<古本屋になって、指折り三十二年になる。
このころ、ようやく、本の声が聞こえるようになった。本と対話できるようになって、この業界では、やっと一人前である。
古本の一冊一冊には、悲喜こもごもの歴史がある。彼らの身の上話は、すなわち人間社会のドラマである。好奇心旺盛な古本屋がこれらを盗み聞きし、酔狂にも記録した。それが本書である。>
本との付き合いが長いとはいえ、まだ本の声が聞こえてきません。まだまだ修業が足りないのでしょう。本の声が聞こえて、本と対話ができて、一人前だそうです。本は目と頭で読むものではなく、五感を総動員して読むもの。
早く本の声が聞きたい。でもまだまだ。
▼四谷書房のサイトは http://yotsuya-shobo.com/ こちらから。