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2005年 01月 15日
久々の永江本です。これはちょっと古い。といっても、2001年2月10日の発行。本と書店に関する文章を集めたものです。
この本のなかで、インタビューする人がされる、「永江朗が語る<書評>」から、永江さんについて気づいたこと、いくつか。 1.書評とはという質問に答えて、書評という言葉が好きでなく、「あくまでも単なる本に関する文章」と考えている。 2.日本の最初の本格的書評誌『リテレール』のヤスケンさんが「日本では批評は成立しないから、スジだけ紹介するのが書評の役割だ」と言っている。 (これは特に永江さんについてではないのですが、書評についての、もっと広い意味で、本、雑誌についてのヤスケン=安原顕さんの存在は大きいと思っています。-店主) 3.<ベストセラーというのは、基本的に本を読んでいない人に(を)、いかに買う気にさせたかによって生まれるものですよね。よく言われるいい方だけど普段読まない人が買うからベストエラーになる。関心を持たせるのがうまい本がベストセラーになる。> 4.永江さんの仕事のなかで、本に関する仕事は三分の一、他の三分の一は出版に関すること、もう三分の一はフリーライターの仕事。 5.一週間に読む本は読むレベルでちがいますが、5冊から10冊ぐらい。 (これは少ないような気がしますが、この数はしっかり読むレベルの本の冊数。永江さん自身は相当な読書家であろうと思います。『批評の事情』を参照ください。-店主) 6.<批評というのはアカデミズムとジャーナリズムの中間に位置していて、両者の橋渡し的性格もあると思う。その中間のなかでジャーナリズム寄りのものが書評であり、アカデミズム寄りのものが評論でしょう。> 7.いままで読んだ書評のなかで、すごい書評は イタロ・カルヴィーノ『なぜ古典を読むのか』 ポール・オースター『空腹の技法』 ジョン・バース『金曜日の本』など 日本では花田清輝 (花田さんは別としても、上記3つの書評がどうすごいかを具体的に聞いてみたいと思います。-店主) 8.この人の書評は読んでおきたいと上げている方々は 池澤夏樹 荒川洋治 斎藤美奈子 坪内祐三 (あとは川本三郎さんも付け加えたいのですが。-店主) 日本の書評は紹介7の、感想3と言われます。ヤスケンさんがいうように、スジの紹介です。でもそれでいいのかな。疑問になります。その?を解こうとすると、書評はなにかということを考えてみなければなりません。 本に関する文章あるいは書評って、むずかしい問題ですね。
by h_osd
| 2005-01-15 14:39
| 単行本
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